冬の尼崎名物と言えば「六甲おろし」だろう。1マークの前方の植樹を伐採したこともあって、向かい風がストレートに競走水面に吹き込む。強い向かい風が吹けば「センタープール」の名の通り、センターが決まると思ってしまう。ところが、近年は期待したほど吹いていない。
第60回大会は「近松賞」という名前で開催された最後の大会だ。平山智加が優勝し、女子5人目の混合G1覇者となった。向かい風が吹いたのは初日と4日目くらい。最終日は追い風が吹き、優勝戦は無風、平山がインからスタートを決めて押し切った。
第63回大会は冬型の気圧配置の日もあったが、強い向かい風は吹かず。イン有利な展開が多く、全72レース中52回が1号艇の1着だった。ここでは第59回大会に続いて松井繁が優勝した。もちろん、インからの逃げ切りだ。
第65回大会は上記の2大会と違い、ちょうど季節の変わり目にあたる11月末から12月の開催だった。この大会は初日から向かい風が強かった。最終日には風速5mを超える時もあったが、それでも1号艇の1着率は68.1%と相変わらずの高さ。優勝戦も松井繁が向かい風5mの中、インから押し切って5回目の尼崎周年優勝を飾った。
昨夏に開催されたMB大賞のキャッチは「まくってちょ~うだいっ」だったが、データを見る限り、冬になってもイン有利の流れは変わっていない。まくり勝ちは第60回大会が8回、第63回大会も8回、第65回大会は7回しかない。
まくりが決まったのはやはり向かい風のレースが多く、展示タイムの良し悪しは関係なし。スタート展示で力強く出て行く気配があれば、狙ってみる価値はある。